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  • 日帰り手術について

日帰り手術について

当院での痔の日帰り手術について

日帰り手術は、手術を行った当日にご自宅で術後を過ごすことができるものです。以前は必ず入院が必要とされていた手術も、近年では麻酔や手術法の改良で様々な病気に対し日帰り手術が可能となってきました。

痔の日帰り手術については実は全国的にはかなり以前から多くの施設で行われています。東京、大阪などの大都市圏では新規開業の肛門科のほとんどは日帰り手術を専門としており、統計上では現在は入院施設を持たない日帰り手術専門の肛門科の方が、入院施設を持つ肛門科より多くなっており、痔の日帰り手術は一般的なものになっています。

日帰り手術

仕事が休めない、介護や家事のため家を空けることができないなどの社会的な理由や、手術後は家でゆっくり過ごしたい方・入院による院内感染が心配・医療費を安くしたいなどの理由から近年日帰り手術をご希望される方も多く、当院でも数年にわたる他県での日帰り手術の研修・見学を経て麻酔法や術式の改良を行い、2017年から積極的に日帰り手術を行うようになりました。

日帰り手術の術後の管理について

痔の手術後は当日から食事可能で、点滴などは通常必要ありません。
抗生剤なども内服で十分な効果が得られます。
傷の処置については、肛門は元々それほど清潔な場所でないため、特別な消毒などの処置も必要なく、排便後もシャワーなどを利用した洗浄で十分対応可能です。
このため日帰り手術後の術後管理のポイントは「痛み」「出血時の対応」の2点となります。


① 痛みについて

痛みについては当院では極力無駄な処置を省いた術式の採用や麻酔法の工夫により、鎮痛剤の内服等のみで帰宅後の日常生活にはほぼ問題ないレベルになっています。
当院で日帰りで痔核結紮切除術(痔核根治術)を受けられた患者様の、手術後の痛みについてのアンケート結果をご参照ください。
アンケート結果はこちら

② 術後出血について
痔の手術後に止血術が必要となるような出血は、全国平均で手術例の1%程度のものとされており、それほど頻度の多いものではありません。
また、そのほとんどが手術後7~14日目に起こりやすいとされています。これは手術で縫合に使った吸収糸が溶けて外れてくる時期だからと考えられています。3~7日入院をした場合も、結局は退院後のご自宅での過ごし方が大切ということになります。
当院では術後出血を極力予防する術式を取り入れ、また帰宅時には術後の生活方法についての注意点を詳しくご説明しています。この結果、当院において2017年以降に日帰り手術を行った患者さんで、止血術を要した患者さんは約0.5%と低い確率になっています。
また術後出血が起こった場合に備え、手術を受けられた方には夜間・休日にも対応できる専用の携帯番号をお知らせしており、川崎医科大学総合医療センターなど近隣の総合病院と連携し、24時間迅速な対応が取れる体制を整えております。

日帰り手術と入院手術の適応について

以上の工夫により、現在当院では日帰り手術可能である方には日帰り手術をお勧めしており、その結果、痔の手術の95%以上を日帰りで行っております。
手術後の診察は通常最初の1週間は週2回程度の外来診察、その後は1週間~2週間ごとの診察で術後経過をみさせていただきます。

痔にも軽度の方から重度の方まで、様々な程度があります。それほどひどい状態ではない痔の患者さんにまで画一的に入院をお勧めする必要はないと考えています。
逆に入院手術をお勧めする方とは

1抗凝固剤を継続する必要のある方(ただしジオン注射硬化療法は日帰り手術可能)

2独り暮らしをされているご高齢の方

3腎不全、心不全などの既往のある方

4病変が大きく切除範囲が大きくなると予想される方

などです。

入院手術の場合は、当院近隣の川崎医科大学総合医療センター外科に入院していただき、院長が出向し手術を行います。
退院後の経過は基本的におくむら大腸肛門クリニックの外来で診させていただきます。

当院で行っている日帰り手術

痔の日帰り手術はジオンによる硬化療法(四段階注射法)のみを日帰りで行っている施設は多いと思われますが、当院では下記の切除を伴う手術も日帰りで行っております。

1痔核
痔核血栓摘出術、ジオン注硬化療法(四段階注射法)、ゴム輪結紮療法、
痔核結紮切除術(痔核根治術)、ジオン注硬化療法併用痔核結紮切除術
2痔瘻
切開開放術、シートン法、括約筋温存手術
3裂肛
内肛門括約筋側方皮下切開術、皮膚弁移動術、裂肛切除術
4直腸脱
ガント-三輪法、デロルメ法
5皮膚良性腫瘍
皮垂切除術、肛門コンジローマ切除術、直腸・肛門ポリープ切除

当院における手術への考え

痔は良性の病気であり、絶対手術をしないといけないというものではありません。本来患者様がどこまで症状を治したいかで治療法を選択して良い病気です。当院ではこちらから一方的に手術をお勧めすることはありませんのでご安心ください。手術については十分な説明を心掛けており、納得していただいた上で行っております。

他院受診後でセカンドオピニオンをご希望の方はご遠慮なく当院を受診してください。専門医として手術適応があるかどうか、治療法の選択肢がほかにあるか等、誠実にご説明させていただきます。また、諸事情で最初から入院手術をご希望の方も対応可能ですので、適宜ご相談ください。



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